「プロ野球の結果を見ると、『ホールド』って言葉をよく見るけど、あれってどういう意味なんだろう…」
このような疑問に対し、この記事では
- ホールドとは?
- ホールドの条件
- リード時の条件
- 同点時の条件
- ホールドとホールドポイントの違い
について解説していきます。
ホールドとは?
ホールドとは、試合に登板した中継ぎ投手にのみ与えられる記録。ただ、すべての中継ぎ投手に与えられるわけではなく、ある条件をクリアした投手のみにホールドがつきます。
その条件について、ものすごく簡単に説明すると、拮抗した試合展開で登板し、相手打者を抑えること。
ただ、この説明だけだとアバウト過ぎるので、ホールドがつく条件について次にご紹介していきます。
ホールドの条件5つ
ホールドの条件は以下の5つです。
- 先発投手、勝利投手、敗戦投手でないこと
- セーブ投手でないこと
- 試合終了の投手でないこと(最後のバッターを抑えていない)
- アウトを一つ以上取ること
- 降板後、自分の失点で同点に追いつかれたり、逆転されないこと
5番目に関しては、例えば、1点リードの場面で中継ぎのA投手がツーアウトを取ったあとランナーを満塁にしてしまい、降板。変わったB投手がホームランを打たれたとすると
- A投手→失点3
- B投手→失点1
という扱いに。すると、自分が3失点して逆転されたことになるため、5のケースに当てはまるというわけです。
ホールドの条件はリード時と同点時で変わる
先ほどの5つの条件はホールドの前提条件です。
ホールドがつくには、この5つの前提条件に加えて、試合展開がリード時か同点時かで、それぞれの条件をクリアする必要があります。
リード時のホールド条件3つ
まず、リード時のホールド条件が以下のとおり。
- 3点以内のリード時に登板して、1イニング以上を投げ、リードしたまま降板する
- 2者連続でホームランを打たれたら同点か逆転される場面で登板し、1アウト以上とって、リードしたまま降板する
- 点差関係なく、3イニング以上投げて、リードしたまま降板する
※3つのどれかを達成する
2番目に関しては、例えば6対1でリードしているものの、満塁の場面で登板した場合は、この条件に当てはまり、7対1の場合はギリギリ当てはまりません。
さらにわかりやすいように、2021年6月9日の中日vs楽天の試合を例にしてみましょう。注目して欲しいのは中日の谷元圭介投手。名前の左側に「H」のマークがついてますよね。
谷元投手は8回裏に登板したのですが、ツーアウト満塁という場面でした。8回裏の時点でのスコアは6対3だったので、ホームランが出たら逆転です。
しかし、谷元投手は一人の打者に対してしっかりと抑えたので、ホールドがついたというわけ。なので、こういうピンチの場面でもしっかり抑えたことを評価するための条件だということがわかります。
同点時のホールド条件
次に、同点時のホールド条件が以下のとおり。
- 同点のまま失点せずに降板する
- 登板中に自チームが勝ち越した場合、リードを保って降板する
※2つのどれかを達成する
2番目に関してですが、登板中に勝ち越すと、通常は勝ち投手となります。ただ、降板後に味方が再逆転されると、勝ち投手の権利は無くなってしまいますよね。
なのでもし、このような場合は勝ち投手の権利が無くなっても、ホールドだけはつきますよという意味です。
ホールドとホールドポイントの違い
ホールドとともによく聞くホールドポイントについてですが、その違いは以下のとおり。
- ホールド = ホールドのみ
- ホールドポイント = ホールド+救援勝利数
救援勝利数とは、中継ぎ投手として登板して勝ち投手になった数のこと。例えば同点の場面でA投手が登板してしっかりと抑えて、次の回に味方が点数を取ったまま試合が終わりました。すると、A投手は勝ち投手になります。
ただ、この救援勝利数がホールドに含まれないのは損をした気分になりますよね。というのも、中継ぎ投手にとってホールドは良い成績を収めている一つの指標だから。
そのため、この救援勝利数を含めた数字がホールドポイントとして採用され、オフシーズンに発表される最優秀中継ぎ投手には、このホールドポイントの数で競われます。
まとめ
ホールドは中継ぎ投手を評価する記録の一つで、5つの前提条件をクリアしてかつ、リード時と同点時でさらに条件が変わってきます。
ホールドと救援勝利数を合わせたホールドポイントの数で、最優秀中継ぎ投手が選ばれるので、中継ぎ投手はホールドの場面で登板することを目指している選手が大半。
ホールドが多いと、拮抗した場面で活躍している証ですし、チームからも信頼されている証拠なので、どんな選手かわからなかったら、ホールドを参考に判断してみるのも良いでしょう。
・10年以上前からプロ野球に興味を持つ30代。
・月に1回以上現地で野球観戦。
・野球が好きすぎて、横浜スタジアムで係員をした経験あり。
・好きな球団は横浜DeNAベイスターズ。
・週1回草野球の練習に参加。